花の美しさを長く楽しむ方法の一つ、ドライフラワーの作り方&飾り方 | ボタニカルライフスタイルマガジン - BOTANIST Journal

BOTANIST Journal 植物と共に生きる。

BOTANIST journal

LIFESTYLE 05

花の美しさを長く楽しむ方法の一つ、ドライフラワーの作り方&飾り方

プレゼントにもらったり、自分で気に入って購入したり。大切な花束をできるだけ長く楽しみたいなら、ドライフラワーにしてみるのはいかがですか? 自宅で簡単にできるドライフラワーの作り方や、お洒落なアレンジ方法をご紹介します。

ドライフラワーに向いている花・向かない花

生花を手に入れたら、何でもドライフラワーにできるのか、多くの方が疑問に思うでしょう。基本的にどのような花材でもドライフラワーにはなります。

ただし、元々の性質として蓄えている水分量が多いと、やはりドライフラワーにはなりづらいもの。例えば、葉に厚みがあるもの、花びらの枚数が多く密集しているようなものです。

反対に、水分量が少なく、触った時の感触がカサカサとしているようなものは、比較的ドライフラワーになりやすいと言えます。例えば、ユーカリやスターチス、輸入もののアンティークアジサイ、セルリア、かすみ草、ミモザ、スモークツリーなどや、ハーブ系、ワイルドフラワー系はおすすめです。

また、白色系の花は乾いていく過程で、茶色くなりやすいもの。鮮やかな色味を楽しみたい場合は、黄色や青色系の花を選ぶと、きれいに色が残りやすいです。

ドライ化に重要なのは仕込み始めるタイミング

生花をドライフラワーにする場合、花瓶に活けていて少し元気がなくなってきたら、そこから乾燥させていけば良いと思っている方が多いのではないでしょうか? しかし、すでにしおれ始めている花をドライフラワーにしても、きれいには仕上がりません。
美しいドライフラワーを目指すなら、花が元気な状態から仕込み始めるのがポイント。下記のステップで準備します。

STEP:1 水切り
まず、しっかりと水揚げをしましょう。具体的には、バケツなどの容器に水をため、茎を水中に入れたまま切る「水切り」を行います。

STEP:2 葉を落とす
次に、余分な葉をカット。持ち手となる茎の下のほうにある葉はもちろん、上のほうでもあまりにも葉が重なり合っていると風通しが悪くなり、ドライフラワーになるのに時間がかかってしまいますので、適当に取り除きましょう。

STEP:3 束ねる
一本ずつ単品のドライフラワーを作るなら、STEP:2のあとはそのまま逆さに吊るして乾かすだけでOK。 ですが、スワッグにしたいなら、あらかじめ生花の状態で束ねてから乾かしましょう。乾いた後にスワッグにしようと思っても、もろくて崩れやすくなっているため、上手く束ねることができません。 束ねる際には、まず最も長いものを一番奥(背面)にして、そこから少しずつ長さをずらしながら、手前に重ねていくようなイメージで。それぞれの花材の正面を確かめながら、自分のほうに向かってきれいに見える向きで組んでいきましょう。慣れない方はテーブルに置いて、一本ずつ上に積み重ねていくようにするとやりやすいです。 ある程度厚みが出てきたら、横の広がりも意識して。花材を真っ直ぐではなく、少し斜に傾けながら重ねていくことで、左右にもボリュームを持たせましょう。すると、きれいなドロップ型に仕上がります。また、茎が躍動的に曲がっているような花材を混ぜていくと、全体的に立体感と動きが出て、より華やかな印象になります。 そしてメインとなる花材は、最後に締めとして、中心に入れましょう。長さは、最も長いものと比べて半分より少し短いぐらいだと、センターできれいに映えます。

STEP:4 縛る
組み上げたら、適当な茎に輪ゴムを引っ掛け、全体をぐるりと巻き、もう一度茎に引っ掛けて固定。その上から、麻ひもでしっかりと縛ります。この時、出来上がったスワッグを壁に飾ることを考えて、あらかじめ引っ掛ける用の輪っかを作っておくと便利。最後にお好みで、麻ひもの上からラフィアやリボンを巻くと良いでしょう。

なお、花材は乾燥の過程で、一定程度縮みます。そのため、目指しているスワッグのボリュームよりも少し大きめに組み上げておいたほうが、最終的にイメージに近いサイズに仕上がります。

ちなみに、一から自分で組み上げるのは難しいと感じる方は、もらったor購入した花束を、そのままドライフラワーにするのが簡単。束ねられた状態をキープして「水切り」だけ行い、あとは乾かすのみです。

乾かす場所には要注意、かける時間はなるべく短く

準備ができたら、あとは吊るして乾かすだけです。但し、この吊るす場所には注意が必要。湿気が少なく、風通しが良く、直射日光が当たらない場所を選んでください。
熱い季節は、クーラーのかかった涼しい部屋の、日が当たらない場所が良いでしょう。ただし、クーラーの風が直接あたらないように。風でなびいてしまうと、形が崩れてしまいます。
適切な場所に吊るしたら、大体1~2週間ぐらいで乾ききって完成。美しいドライフラワー作りは、仕込みのタイミングと並んで、なるべく短時間で乾かしきるのがコツです。かける時が短いほど花や葉の色がきれいに残りますし、逆に時間が長くなるほど退色や腐敗が進んでしまいます。

アレンジ次第で広がるドライフラワーの楽しみ方

完成したドライフラワーは、大体半年~1年ぐらいは日持ちします。カビや虫が発生したり、退色や乾燥が進んでパラパラと崩れ落ちてしまったりするまでは、しっかりと楽しんでください。

スワッグの場合は、生花とは逆さの状態、花が下にくる形で、壁などに吊るして飾りましょう。一本ずつ単体の場合は、一輪挿しに挿して置いておくだけでも素敵。一輪挿しを持っていなくても、ドリンクなどの空き瓶は、ラベルを剥がせば花器として活用できます。
また、スワッグでも花材によって傷むスピードは異なりますので、少しずつ傷んだものが出始めたら、束を解いて、一本ずつにして楽しむと良いでしょう。

一本一本きれいに仕上がったドライフラワーは、そのまま枝や茎の自然な形を活かすよう、ランダムに壁やボードに押しピンや虫ピンなどで留めていったり、白いお皿に並べてみたりしてもお洒落。ツルものの場合は、ランプシェードなどに巻き付けても良いですね。カゴにオアシスを入れて想いのままに挿していけば、素敵なアレンジ花カゴができます。
その他、折れた花や葉などもガラス管に入れたり、いくつか集めて小箱に詰めたりするだけで、ぐっとお洒落な雰囲気になります。せっかく作ったドライフラワー、余すところなく飾りましょう。

いかがでしたか? 生花も素敵ですが、時にはドライフラワーにして、また一味違う花の美しさを楽しんでください。

Youtubeにも同時公開しておりますので、動画でもお楽しみいただけます。

PROFILE

Blowmist BOOM

京都・二条エリアに構えるフラワーショップ。季節の定番から珍しいものまで多彩な生花と、センスが光るオリジナルのドライフラワーが数多く並ぶ。また、店内では定期的にフラワーアレンジのレッスンも開催。

監修、撮影協力:Blowmist BOOM