BOTANIST Journal 植物と共に生きる。

BOTANIST journal

LIFESTYLE 18

贈り物の花束など、切り花を長く楽しむための一工夫

プレゼントにもらった花束や、フラワーショップで見つけた好みの花。自宅に持ち帰ったら、できるだけ長く楽しみたいですよね。そこで、少しでも長持ちさせるためのコツや、最後まで余すところなく楽しむテクニックなどをご紹介します。

水の量は? 飾る場所は?はじめの基本ポイント

花束をもらったり買ったりして持ち帰ったら、なるべく早く活けましょう。
この時、包み紙やセロファンなどのラッピングは全て取り除いた方が良いですが、花束を束ねている紐や輪ゴムを外すかどうかは、お好みでOK。
ブーケはフローリストの手によって花々が美しく見えるよう束ねられているため、そのまま花瓶に活けるだけで、プロのスタイリングが楽しめます。
数日経って一部の花が傷み始めたら束を解き、痛んだものは抜き取っていきましょう。
もちろん、最初から束を解いて、自分なりの活け方を楽しむのも素敵です。

また、花束の茎先に保水ジェルなどが包んであった場合は、花瓶に活ける前に水できれいに洗い流してください。

花瓶に入れる水の量は、基本的には底から3分の1程度が目安になります。
但し、水をよく吸い上げる花、もしくは茎が柔らかく腐りやすい花が多い場合は、底から5分の1〜4分の1程度の浅水に活けましょう。
具体的には、チューリップやヒヤシンス、カラーなど。比較的球根植物に多い、茎の内部がスポンジ状になっている花が該当します。
反対に、バラやアジサイ、野花といった水をあまり吸い上げない花が多い場合は、花瓶にたっぷりの水を入れて。
水量が多いほど水圧が強くなり、花の隅々まで水が行き渡るよう押し上げる効果があります。

適量の水を張った花瓶に活けたら、下葉が水に浸かっていないか確認を。もし浸かっていると水が傷む原因になるので、必ず取り除いてください。
また、葉は切り花に表情を与えてくれますが、花の水分を外に蒸散させてしまうことにもつながるため、余分なものはあらかじめ取り除くことをおすすめします。

ここまで準備ができたら、あとは飾る場所です。やはり日当たりの良い場所が適していると思われそうですが、切り花はむしろ逆。最も長持ちするのは、暗くて涼しい場所です。
花の種類にもよりますが、一般的に切り花に適していると言われる温度は18℃。
これより低温だと、バラやユリなどのつぼみが咲き進む花は開きにくくなりますし、高温だとすぐに花開いて散ってしまいます。
家の中であれば、玄関やトイレをはじめ、なるべく暗くて涼しいほど、切り花は長く生きられます。部屋の中ならば、直射日光と冷暖房の風が当たる場所を避け、風通しが良く、涼しいスペースに飾りましょう。

水を換えるタイミングなど日々正しいお手入れを

花瓶に正しく活け、最適な環境に飾ったら、次は日々のメンテナンスについて。
まず、切り花を長持ちさせるための重要なのは、水を新鮮に保つことです。
バクテリアが繁殖した水を吸い上げてしまうと、花の隅々に水を運ぶ役割を果たす道管が詰まってしまい、花がしおれる原因に。そのため、水換えの頻度は多ければ多いほど良く、できれば毎日交換しましょう。
毎日は難しくても、水が濁ったらバクテリアが繁殖している証拠なので、すぐに交換してください。

水換えの際に併せて行うと良いのが、茎の処理。下から2~3cm程度をハサミでカットしましょう。少しずつバクテリアが付着し詰まってきている道管部分を切り落とすことで、水の吸い上げが良くなるのです。
切る際は、真っ直ぐではなく斜めにカットを。水に触れる道管の面積が広くなることで、より多くの水を吸い上げることができます。道管を潰さないように、切れ味の良い清潔なハサミでスパッと切るのがポイント。さらに水中に浸けた状態でカットしたほうが、道管に空気が入り込みにくく、水の吸い上げが向上します。

また、ユリなど1本に複数輪を咲かせる花については、次の花を咲かせるエネルギーを温存するためにも、枯れた花があれば小まめに切り取っておきましょう。

残り少なくなった花を最大限に楽しむには

始めはボリュームたっぷりだった花束も、いつしか残り数本に…。すっかり寂しくなったと感じたら、花器を替えてみましょう。花の量やサイズに合った花器を選べば、少ない花でも貧相にならず、最後まで美しく飾れます。

少量の花を飾るためのアイテムとして定番の一輪挿しは、持っておくと重宝するもの。一点モノの作家作品など、こだわりのデザインなら、一輪活けるだけで絵になります。また、花は一輪でも、そこにグリーンを一本添えるだけでガラリと印象が変わるので、手軽にさまざまなコーディネートを楽しむことができます。

また、一輪挿しが無くても、例えばジャムの空き瓶や栄養ドリンクの茶色い瓶など、ラベルを剥がしてきれいに洗えば、素敵な花器に。いくつか小さな瓶を集め、それぞれに少しずつ花を活けて並べて飾れば、グッとお洒落な雰囲気になります。
他にも、ガラスピッチャーやワイングラス、ホウロウのキャニスターなど、水を溜められる容器であれば、花器として活用できます。

さまざまな花器と合わせる際、花の長さの基本目安は「花瓶1:花2」。これより花の長さを残すと、すらりとエレガントな雰囲気に。短くカットして重心を下げると、可愛らしい雰囲気に仕上がります。

ドライフラワーにするのも長く飾れる方法の一つ

切り花を長く楽しむには、ドライフラワーにするというのも一つの手です。
但し、どんな花でもドライフラワーになるわけではありません。元々の性質として、蓄えている水分量が少ない花ほど、ドライフラワーにしやすいもの。例えば、バラやスターチス、エリンジューム、センニチコウなど、カサカサとした感触の花は、ドライフラワーに適しています。
反対に、チューリップやヒヤシンスといった球根花をはじめ、水分量が多い花は、ドライフラワーには適していません。

ドライフラワーを作る際は、直射日光を避け、風通しの良い乾燥した場所に吊るし、カラカラになるまで置いておけばOK。なるべく新鮮な状態で吊るしたほうが、きれいに仕上がります。

いかがでしたか? 正しい管理方法と少しの工夫で、素敵な花のある暮らしを楽しんでください。

監修、花束制作:株式会社BOTANIC  https://www.botanic.in/