BOTANIST Journal 植物と共に生きる。

BOTANIST journal

SUSTAINABLE 09

多様性のある森を取り戻す。BOTANISTの森づくりへかける想い

BOTANISTは2021年より、森林保全団体のmore treesと協働で、本格的な森づくりを始めました。なぜ今、BOTANISTが森をつくるのか? どのような森で、何を目指すのか? 本プロジェクトのメンバーが、その想いを語ります。

自然と人が共に生きる
共通の理念でつながった縁

2021年、新たにスタートした「BOTANISTの森」プロジェクト。BOTANISTは一般社団法人more treesと協働で、自分たちの森をつくります。

more treesとは、音楽家・坂本龍一氏が代表を務める森林保全団体。加速する森林破壊と地球温暖化の危機的状況に行動を起こそうと、2007年に設立されました。more treesでは、国内15か所(11地域)、海外2か所に、地域との協働で森林保全を行う「more treesの森」を展開。また、国産材を活用した商品やサービスを企画・開発する他、セミナーやイベントを通じて森の情報、魅力などを発信しています。事務局長の水谷さん曰く、「キーワードは『都市と森をつなぐ』。『森と人がずっとともに生きる社会』を目指して、さまざまな取り組みを行っています」。

そんなmore treesとBOTANISTの出合いは2017年。「『都市と森をつなぐ』という考え方に、『植物と共に生きる』というコンセプトを掲げるBOTANISTとの親和性を感じました」と話すのは、BOTANISTブランドマネージャーの小林です。「そこでまずは、2016年からmore treesさんが活動を開始した、インドネシアでの『オランウータンの森再生プロジェクト』への支援を始めました」。

舞台は北海道の美幌町
今ここに森をつくる理由とは

インドネシアの森への支援を通して、関係性を深めてきたmore treesとBOTANIST。そんな中、BOTANISTは2020年にブランド誕生5周年を迎えました。この節目に改めてBOTANISTのコンセプトとブランドミッションに立ち返ったBOTANISTチーム。「そこで、身近な所から、小さな一歩でも本質的に『植物と共に生きる』ためにできることを積み上げていきたい。その一つとして、今後は国内でも森の支援を展開していきたいという想いが募りました」と、BOTANISTブランドディレクターの東野は話します。「その上で、BOTANIST製品のキー成分の一つが、ホワイトバーチウォーターという白樺の樹液であることにも着目。ぜひ国内のどこかで白樺の木を植林し、『BOTANISTの森』をつくりたい! と水谷さんにご相談しました」。

BOTANISTの意向を受けて、直ちに候補地を探し始めた水谷さん。国内では北海道全域が白樺の分布域にあることから、まずは道内に絞って具体的な地域を検討しました。中でも、木を植える、育てる、そして適切に伐るというプロセスにおいて、他地域にはない十分なスキルを持った人材が揃っていること、
苗木の調達ルートが確保されており苗木の調達にも困らないことから、道東に位置する美幌町(びほろちょう)が最有力候補に。水谷さんは、「すぐに役場に相談したところ、偶然にも担当者の方がBOTANISTのファンで。ぜひうちの町でやりましょう! と、すぐに町有林の使用を快諾いただき、苗木の確保にも動いてくださいました」と当時を振り返ります。こうして無事に土地と苗木の確保ができ、正式に美幌町(びほろちょう)での展開が決まりました。

白樺をメインにしつつ
目指すは多様性のある森

現在「BOTANISTの森」は、地ごしらえの真っ最中。植林しやすいよう、雑草や細かい木枝などを取り除いて整地し、10~11月頃に苗木の植林を行う予定です。ペースとしては年間1ヘクタール、1,500~2,000本程度の植林を検討しています。

また、植林するのは白樺だけではありません。あくまで白樺をメインとしつつ、目指すのは多様性のある森。というのも、日本は国土の約7割が森林ですが、その内約4割は戦後主に木材生産のために植林された人工林であり、その内訳はスギとヒノキだけで約7割を占める状況。日本には主要な樹木が500種類以上あるといわれていますが、都合良く人工林を増やした結果そのバランスが大きく崩れ、森林の多様性が失われてしまっているのです。

「私たちmore treesは、こうして戦後大量につくられ、近年は生活スタイルの変化と共に手入れされることなく放置された人工林を、多様性のある森に転換する取り組みに力を注いでいます」と水谷さん。「そのため今回の森づくりでも、BOTANISTの皆さんに私たちの想いを理解いただきまして。白樺をメインにしつつも、その土地に適した様々な樹種を植林することで、共に多様性のある森を目指していただくことになりました」。

水谷さんとの関わりを通して、「森の保全というと、これまではただ木を伐らないこと、木を植えることだけを考えていましたが、それだけではないということを学びました」と東野。小林も「本来の森のあるべき姿を取り戻す活動に感銘を受けました。自分たちもそんな森づくりを目指しながら、こうした日本の森の課題とそれに対する取り組みについて、積極的に発信していきたいと思います」と話します。

BOTANISTの森づくりを
通して広がる未来

まだまだ動き出したばかりの森づくり。「植林の際はぜひ私も参加したいですし、その後も木々の成長を追っていきたいですね」と東野が言えば、「ライブ配信をするにはネット環境の問題がありますが、例えば360度カメラを使って定期的に映像を撮って配信しても面白いかもしれないですね。白樺は寒い地域に育つ樹木にしては比較的成長が早く、順調にいけば20~30年程度で木々がうっそうと茂る、正に森といった雰囲気になると思いますよ」と水谷さん。小林も「ただ森をつくるだけではなくて、BOTANISTユーザーの皆様に、森を身近に感じていただける取り組みがしたいです。ゆくゆくはユーザーの皆様も現地にご招待できたら嬉しいですね」と話します。

水谷さんはこう言います。「最近話題のSDGsにおいて私たちの取り組みは、『森林の持続可能な管理』などを含む、15番目の『陸の豊かさも守ろう』に当てはまります。ただ、私は17番目の『パートナーシップで目標を達成しよう』というのが、実は一番重要だと考えていて。私たちだけでできることは限られていますが、こうしてBOTANISTさんとパートナーシップを結ぶことで、多くのBOTANISTスタッフ、ユーザー、そして現場である美幌町(びほろちょう)の方々と想いを共有でき、可能性が広がっていると感じています」。

それを受けて、「私たちもご一緒できることがとても嬉しく、ワクワクしています」と東野。「それに、水谷さんと打合せをする度に、本当に知らないこと、学ぶことが多くて驚いてばかり。これからも色々と教えていただきたいですし、今後は現地での体験的な学びにも期待しています。そうして吸収したことをBOTANISTのものづくりに活かしていくのはもちろん、私たちの中だけに留めるのではなく、社内外にも積極的に発信していきたいと考えています」。

小林も、「BOTANISTはブランドミッションとして、『植物の恩恵に深く敬意をはらい、植物の持つ力や美しさをより広く学び、深く探求すること』と、『植物と人が、どちらも豊かに共存できるように、植物の保全を通して持続可能な地球環境をサポートすること』を掲げています。今回の森づくりは、その一歩。まだ始まったばかりですが、一歩ずつ着実に積み重ねていきたいと思います」と意気込みを話します。



これから長い年月をかけて取り組んでいく森づくり。豊かな自然が息づく「BOTANISTの森」に、ぜひご期待ください。

PROFILE

more trees(モア・トゥリーズ)

音楽家・坂本龍一が代表を務める森林保全団体です。森と人がずっとともに生きる社会を目指し、「都市と森をつなぐ」をキーワードにさまざまな取り組みを行っています。