機能性はもちろん香りやデザインで魅せる
ここ1年ですっかり身近なアイテムとなったハンドジェル。
お店やオフィスの出入り口に置かれていることも多いですし、外出時には自分専用のものを持ち歩くという方も多いのではないでしょうか。
一方、海外に目を向けると、ハンドジェルは以前から一般的なアイテム。海外ではレストランやカフェで食事をする際、日本のようにおしぼりやお手拭きが出てくるわけではありません。また、海外は日本ほど手洗いの習慣がなく、トイレの後や食事前に手を洗うのが当然ではないことから、外出先で手洗い場を探してもそう多くは見つかりません。その代わりに、人々はポケットサイズのハンドジェルを携帯。気になる時にサッと使って、手を清潔にしているのです。
日本でも需要の高まりを受け、大きなポンプタイプと共に、携帯用の小さなハンドジェルも店頭に多く並ぶようになりました。特に最近では、花やフルーツなどの香り付きのもの、保湿効果がプラスされたもの、見た目にもこだわったスタイリッシュなものなど、さまざまな魅力を持ったアイテムが増えています。
また、こうしたハンドジェルを便利かつおしゃれに持ち歩けるアイテムとして、ハンドジェルホルダーも人気に。ホルダーにハンドジェルを入れて鞄やベビーカーなどにぶら下げておけば、必要な時に鞄やポーチの中を探すことなく、すぐに使うことができます。お気に入りのデザインのものなら目に入る度に気分が上がりますし、ファッションの一部としても楽しめるといえるでしょう。
ヴィーガンレザーにこだわった工房を訪ねて
今やファッションアイテムの一つとなりつつあるハンドジェルホルダー。せっかくならおしゃれなものを手作りしてみたいものです。そこで相談に訪れたのが、国内最大のハンドメイドマーケット「minne」でも活躍する、神戸の革小物・鞄メーカー「cocochi kobo(ココチ工房)」です。
「cocochi kobo」の代表である高山雅光さんは、元靴職人。神戸で生まれ育ち、アメリカの大学を卒業後、イタリアや東京で靴づくりを学びました。その後、父親が経営する神戸の靴メーカーに就職し、企画・製造・販売と活躍。そんな中、ヴィーガンレザーとの出合いが人生の転機となりました。
ヴィーガンレザーとは、動物性のものを使用せず、人工的に革の繊維構造を再現した素材。主に合成皮革と人工皮革の2種類があります。
合成皮革は基布に生地や織物を使用。その基布にポリウレタン樹脂などをコーティングして作ります。安価で大量生産に向き、素材感やカラーバリエーションを豊富に展開することができます。
一方、人工皮革はポリウレタンとナイロンの繊細な繊維を三次元立体的に組み合わせた基布に、ウレタン樹脂を塗布して作ります。そのため耐久性が高くて丈夫。さらに本革のような風合いながら肌触りは驚くほど柔らかく、軽くて水に強いという特徴があります。
高山さんはこの人工皮革に大きな可能性を感じ、自分らしい新たなものづくりに挑戦することを決意。2015年に人工皮革の良さを生かす革小物・鞄メーカーとして独立し、自身のブランド「cocochi kobo」を立ち上げたのです。 人工皮革は鞄にするには魅力的な素材であることはもちろん、「かねてから人間のエゴで動物を殺傷し、手に入れた皮でものづくりを行うことに抵抗感を抱いていた」という高山さん。本革に代わる画期的な素材として、人工皮革に強く惹かれたのです。また、皮をなめす工程で薬品を使わないなど、環境に優しい点もポイントになりました。
Youtubeでは「cocochi kobo」での作業風景を公開しておりますので、動画でもお楽しみいただけます。
革を編むだけの簡単なオリジナルのホルダー作り
ヴィーガンレザー(人工皮革)を使用し、シンプルで使い勝手に優れたサイフやポーチ、鞄などを制作する「cocohi kobo」の高山さん。今回、そんな高山さんに新たなアイテムとして、ハンドジェルホルダーをオーダーしました。初心者でも簡単にできる作り方を考案してもらいましたので、是非挑戦してみてください。 型紙をダウンロード(PDF)
用意するもの
- 人工皮革(裏が起毛していて、切り口が革のようなもの)
- ダウンロードして印刷した型紙
- 丸リング 10~12mm
- ナスカン 10~12mm
- のり
人工皮革を切る
人工皮革を下記の通り、ひも状にカットします。 ・幅1cm×長さ24cmのものを1本(本体の縦部分になります) ・幅8mm×長さ13cmのものを2本(本体の横部分になります) ・幅1cm×長さ25cmのものを1本(持ち手になります。長さはお好みで調節してください)
縦の革ひもに切れ目を入れる
本体の縦部分になる革ひもの印の箇所に、それぞれ1cm幅ずつの切れ目を入れます。
縦横の革ひもを組み、丸リングをつける
本体の縦部分になる革ひもをU字に折り曲げ、上下それぞれの切れ目に、本体の横部分になる革ひもを通して組み合わせます。なお、上の切れ目に通す際は、先に縦部分になる革ひもの両端に丸リングを通してから折り返し、その上から横部分になる革ひもを通して固定しましょう。
本体の横部分を固定する
ハンドジェルボトルの太さに合わせて、横部分になる革ひもを重ね合わせ、のりなどで固定します。
持ち手をつける
持ち手になる革ひもの両端それぞれ3.5cmの部分に折り返し用の印を入れ、片方は丸リング、もう片方はナスカンに通します。そして、折り返し用の印の部分をのりなどで固定します。
簡単に作れるのに、おしゃれで便利なハンドジェルホルダー。おうち時間の楽しみに手作りして、お出かけの際はファッションの一部として素敵に持ち歩いてください。
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cocochi kobo(ココチ工房)
神戸・長田に工房を構える、ヴィーガンレザーを使った革小物・鞄メーカー。流行りのモノやスタイルではなく、日々の暮らしの中でふと感じる“心地いい”ものをテーマに、シンプルでミニマムなデザイン、素材や肌触り、軽さにこだわったハンドメイドのものづくりを大切にしている。