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肌の内側はどんな構造になっている?
「肌」とも呼ばれる人間の皮膚は、表皮・真皮・皮下組織という3つの層から成り立っています。表皮は、雑菌やホコリが体内に入るのを防ぎ、皮膚が乾燥しないように潤いを守る層で、その一番表面にあるのが「角質層」です。皮膚のもっとも内側にあるのが皮下組織で、筋肉や内臓を守るクッションのような役割を担っています。
この3つの層のうち、肌の弾力に深く関わっているのが、皮膚の大部分を占めている真皮です。
真皮では、糸の束に似たコラーゲン線維が、ベッドに例えるとマットレスのスプリングのように網目状にはり巡らされています。そのコラーゲン繊維同士を、弾力のあるエラスチン線維がゴムのように結束し、水分を抱え込む性質のヒアルロン酸を含むゼリー状の基質が、そのすき間を埋めています。
コラーゲン線維・エラスチン線維・基質がみっちりと高い密度で存在しているのが、肌に弾力がある状態です。また、真皮に存在する繊維芽細胞は、コラーゲン線維やエラスチン線維を新たに生み出す力を担いますが、この細胞の働きが活発であることも、肌の弾力を保つ条件といえるでしょう。
潤いやコラーゲン不足?肌の弾力が低下する原因とは
肌の弾力低下は、表情筋の緩みとともに、肌を悩ませる原因のひとつです。肌の弾力が低下する大きな3つの原因を見ていきましょう。
乾燥による潤い不足
先述のとおり、真皮は線維のすき間を埋める基質部分が水分を抱えて、肌の潤いを保っています。しかし、乾燥で基質の水分量が減ると、風船の空気が抜けるように肌がしぼんでしまい弾力を維持できなくなります。表情筋の老化
表情に合わせて動く表情筋とは、顔にある20種類以上の筋肉のことです。年齢を重ねるにつれて、表情をつくる筋肉が衰えやすくなり、重力に抵抗できなくなってしまいます。そうなると、表情が沈み、肌の弾力が感じられなくなります。紫外線によるダメージ
紫外線は、波長の長さによってUVA(紫外線A波)、UVB(紫外線B波)、UVC(紫外線C波)に分けられます。このなかで、肌の弾力低下につながるのがUVAです。もっとも波長が長いので真皮まで届き、コラーゲン線維やエラスチン線維を壊すうえ、これらの線維を生成する繊維芽細胞にも損傷を与えてしまうのです。肌にハリを与えるスキンケアと、プラスαのインナーケアで対策を
スキンケアで保湿を心がけてハリを保ち、インナーケアで食生活に気を配り、表情筋を意識的に使うようにする。このように、外側と内側からのアプローチをバランスよく両立させることが、肌の弾力を維持する秘訣です。日常生活に簡単に取り入れられる3つの対策を紹介します。
化粧品で保湿をする
乾燥で肌表面のキメが乱れて、角質層を満たしていた水分が蒸散しやすくなると、肌のハリがなくなる原因になります。潤いのある健やかな肌を保つスキンケアが重要です。まずは、毎日使用する化粧品を保湿効果の高いものに変えてみましょう。角質層が蓄えた潤いを皮脂膜がふたをして閉じ込めている皮膚構造が理想なので、水分も油分も両方バランスよく補うことが大切です。
高保湿成分の含まれるアイテムを選ぶ
肌の弾力を保つためには、スキンケアで与えた潤いとハリをいかに保持できるかがカギになります。そこで注目したいのが、「ヒアルロン酸」と「セラミド」という2つの高保湿成分です。もともと、真皮にはヒアルロン酸が、角質層にはセラミドが自然に存在します。肌内部にあるため、化粧品で外から補おうとしても増えることはありません。しかし、化粧品に配合されているヒアルロン酸やセラミドは、角質層の潤いを保つ保湿成分として、弾力のある肌の維持をサポートします。
BOTANISTの「ボタニカルローション(化粧水)」「ボタニカルエマルジョン(乳液)」は、加水分解ヒアルロン酸(保湿成分)を含み、角質層まですっと浸透してハリのある肌へ導きます。また、セラミド2(保湿・柔軟成分)も配合されているので、潤いを角質層にしっかり閉じ込めます。
ハリのある肌を目指すなら、化粧品は優しいタッチで肌になじませましょう。肌への強い摩擦やパッティングは、真皮の弾力線維を切ってしまう場合があるからです。また、肌ダメージを防ぐため、紫外線対策も忘れずに行ってくださいね。
食事で栄養を摂る
弾力のある肌を目指すなら、必要な栄養素を毎日の食事で摂取して、肌の内側から保湿力を高めるのも効果的だと考えられています。タンパク質は、コラーゲン線維やエラスチン線維の原料にもなるため、肌の弾力を維持するには欠かせない栄養素です。タンパク質とはアミノ酸の集合体で、人間の体は約20種類のアミノ酸の組み合わせで構成されています。そのうち、9種類は体内で生成できないので、毎日の食事から摂るしかありません。タンパク質を含む食品としてよく知られているのが、肉や魚、卵、乳製品、大豆製品です。食品によって含まれているアミノ酸の種類や量が異なるので、どれもバランスよく摂取することが大切です。 また、ニンジンやレバーなどに含まれるビタミンAは肌に弾力を与え、柑橘類から補給できるビタミンCはコラーゲン線維の生成をサポートします。これらも積極的に摂りたいですね。
表情筋を意識する
表情筋の動きを意識することも、取り入れたい対策のひとつです。表情筋は、日常生活で20~30%程度しか使われていないといわれています。特に衰えやすいのが、ほおのまわりの筋肉です。食事のとき、左右の歯のどちらか一方でばかり噛んでいませんか? 噛み癖があると、使わない側の筋肉が衰えやすくなります。右側で10回噛んだら、次は左側で10回噛むなど、バランスよく均等に噛むように心がけましょう。 表情筋は体の筋肉と同じで、使わなければより衰えやすくなります。できるだけ口元に緊張感を持つこと、表情を豊かにすること、これだけでも立派な表情筋エクササイズです。根気強く続ければ、表情筋が活発に動き、弾力のある肌に近づけますよ。