髪を自然で満たしきる、新たなBOTANISTの挑戦。
2023年10月、BOTANISTのシャンプー&トリートメントが大幅にアップデートしました。テーマは「髪を自然で満たしきる」。新 濃密ボタニカル美容液を配合することで、髪の空洞化に根本からアプローチ※する新処方を採用しています。 ※傷んで空洞化した髪内部に浸透し、補修すること。
「今回のアップデートは、『髪に必要なものを必要な分だけ届けたい』という想いが出発点です」と話すのは、BOTANIST商品開発担当の吉田周平。そこから特にポイントとなるダメージケア、保湿ケア、そして地肌ケアを軸に成分を選び、処方を組み立てました。
3つのケアをシャンプー&トリートメントで同時に叶えることにより、これまで以上に理想の髪へと導く新BOTANIST。主要成分は、モイストやスムースなど5種類全てに共通して配合しています。吉田いわく、「その上で、成分の配合比率を種類ごとに調整。それぞれの特徴をより際立たせる処方に仕上げました」。
キーとなるのは北海道の白樺。
新たな処方で最もポイントとなるのは、従来の髪のダメージケアと保湿ケアに、地肌ケアの要素を加えたことです。
地肌ケアとは、端的にいうと頭皮の保湿。潤いを保つことで頭皮環境を整え、地肌からしっかりケアをして、髪もケアすることでハリ・コシのあるしなやかな髪に導くことができます。「土台となる地肌をケアすることで、健やかな髪を保ち、そこへ髪のダメージケアや保湿ケアが相乗的に作用し、より美しい髪の実現につながるのです」と吉田はいいます。
この地肌ケアにおいてキー成分となるのが、北海道の白樺から採れる白樺樹液は、2021年のBOTANISTリニューアルから採用している保湿成分です。天然の化粧水といわれるほどミネラルなどの成分を豊富に含み、潤いを与えてくれます。
「そんな白樺樹液の良いところを引き継ぎながら全く新しい機能を付与できるのが、樹液を発酵させて作る白樺発酵エキスです」と話すのは、原料提供メーカーである片倉コープアグリ株式会社の福原貴弘さん。例えば、肌を引き締めたり、皮脂をコントロールしたり。スキンケアレベルの地肌ケアが叶うのです。
福原さんは、「研究の結果、白樺樹液と白樺発酵エキスの両方を配合することで、高い保湿効果が期待できることは明らかです。しかも、白樺発酵エキスをスキンケアではなくヘアケア製品に配合する事例はほぼ初めてといえる、画期的なことです」と話します。
また、「これから世界的ブランドになり得るBOTANISTさんの製品に使っていただくことによって、道産素材の良さ、MADE IN JAPANの力強さなどを世界に発信していく一助になれば嬉しい」と福原さん。それほど北海道産の白樺樹液と白樺発酵エキスは自信を持って、世界に誇れるものなのです。
貴重な白樺樹液を高い技術力で理想的な原料へ。
キー成分の元となる白樺が育つのは、北海道の北部、稚内市と旭川市の中間に位置する中川郡美深町。柳生佳樹さんが経営する松山農場の一角に、樹液の採取場となる雄大な白樺林が広がっています。
柳生さんは1987年からこの地で白樺樹液の採取を行うパイオニア的存在。毎年、約2,000本の白樺から約60トンの樹液を採取します。幹に直径2cm、深さ4cmほどの穴を開けて管を通すと、自然にポタポタと溢れ出す樹液。年に一度、雪解け前のわずか十数日の間にしか採れない貴重なものです。
しかも、白樺の寿命は60~90年とされる中、1948年頃から形成された林は大半が樹齢75年にあたる古木。「ちょうど寿命の中間に差し掛かり、年々樹液の量が減って採りづらくなっているように感じます」と柳生さんは話します。
さらに、樹液採取の際には温度上昇を防ぐ雪が欠かせないものの、近年は地球温暖化の影響で雪解けが早まっている点も問題。「昔は4月15日~5月5日ぐらいの期間で採取できましたが、最近は4月の終わりまで。今年は特に短く4月25日まででした」と柳生さん。木の老齢化と地球温暖化、二つの問題を抱え、白樺樹液はますます貴重な存在になっているのです。
そんな白樺樹液は天然の栄養成分がたっぷり詰まっている一方、腐敗しやすいデリケートな性質があります。柳生さんはそれを丁寧に熱殺菌して処理。「1回だけでは、逆に休眠から起きて活性化してしまう菌があるんです。だから必ず2回熱殺菌する。最初の頃はたくさん失敗もして、試行錯誤しながらここまでやってきました」と話します。
そこから片倉コープアグリ株式会社の化粧品原料専門工場へと移し、さらに殺菌。「医薬品に近いレベルで菌をコントロールし、極限までリスクをシャットアウトします」と福原さん。さらに特殊な発酵機械を使用して、新鮮な白樺樹液から白樺発酵エキスを製造。非常にシビアな培養条件ながら、コンピュータ制御で正確に管理して仕上げます。
松山農場から片倉コープアグリ株式会社へ。高い技術力のリレーの果てに、BOTANISTのアップデートは確立されるのです。
未来に向けて植物資源の循環にも着手。
今回のアップデートと同時に、BOTANISTは新たに植物資源の循環プロジェクトとして、「BOTANIST白樺ファーム」を開設。シャンプー&トリートメントに使用した分だけ白樺の木を植え、育て、そこからまた樹液を採取して使用していく……というサイクルを目指した取り組みを始めました。
柳生さんと福原さんのご協力により、松山農場の一角に土地を確保。BOTANISTブランドディレクターの東野藍子、商品開発担当の吉田、広報担当の髙橋文香らが参加し、20本の苗木を植樹しました。
植樹初体験となる吉田は、「自分たちの手でできることが嬉しい」と喜びを語ります。同じく初体験の髙橋は苗木を手に「一本ずつ形や葉の付き方が違って面白い」と、自然が織りなす豊かな個性に興味を示しながら丁寧に植えていきました。
一方、柳生さんも一昨年から新たな白樺林づくりに向けて動き出したところなのだとか。「白樺の寿命や地球温暖化の問題が迫る中、今回BOTANISTさんが率先して植樹活動を始めてくださったことには敬意を表します」と話します。
福原さんも植樹活動には積極的。「弊社は肥料づくりから始まったメーカーであり、社員全員が常に環境問題について考え、貢献したいと動いています。これからさらに取り組みを加速させようというタイミングで、BOTANISTさんと植樹を始められて有難いです」。
吉田は、「私たちは社会にどう貢献できるのか、植物にどう恩返しできるのかを考える中、皆さんのご協力でまずは白樺の植樹活動をスタートできました。BOTANISTをユーザーに長く届け続けることで植樹も続けられ、森が育ち、循環していく。そのためにしっかりと力を入れてやっていきたい」と意気込みを語ります。
これから毎年訪れて、1年に20本ずつ、5年間で100本の植樹が目標です。柳生さんいわく、樹液採取に適した白樺は幹の直径が25cm以上のもの。1年で約8mmずつ太くなるとされているため、ここから樹液が採取できるようになるまで30年以上はかかる計算です。
「実際に自分たちで植えた白樺の樹液を使えるのはかなり先、子どもや孫の世代になるかもしれませんが、そこは心折れずに。BOTANISTを何十年も続いていくブランドに育てたいという想いのもと、白樺と一緒に私たちも成長していければ良いなと思います」と吉田。未来に向けて決意新たに、確かな一歩を踏み出すことができました。
白樺をキーに、これまで以上に植物の恵みをたっぷりと詰め込み、植物資源の循環もスタートさせた新BOTANIST。「植物と共に生きる」というブランドメッセージを大切に、さらに進化していくBOTANISTにぜひご期待ください。