暑い夏こそおすすめ 白茶に宿る自然の力とは
白茶とは、主に中国の福建省や湖南省で生産されている中国茶の一種。製造工程は極めてシンプルで、多くの中国茶とは異なり、茶葉を揉みこむことはありません。摘まれた茶葉は放置してしおれさせ、水分を飛ばしながら発酵を進めた後、火入れして乾燥させるだけです。
そのため、茶葉は乾燥してもなお白い産毛をまとった状態。正に生まれたままの白い姿で出荷されます。これが白茶という名前の由来になっているのです。
茶葉本来の美しい形はもちろん、ボタニカルな力がそのまま残っているのもポイント。
白茶は古来より、錆びないからだを作ってくれる成分がたくさん含まれていることから、からだの中からキレイになれるお茶と言われています。
また、白茶の旬は春~夏。飲めば暑気払いの効果も期待できることから、特に夏に飲むのにおすすめのお茶なのです。
淹れる時間そのものも楽しむ 白茶の美味しい飲み方
これからの季節にぴったりの白茶。せっかくなら、中国茶の作法に沿って楽しんでみてはいかがでしょうか。忙しい毎日の中でも、ちょっと一息。ゆったりと落ち着いてお茶を淹れる、贅沢な時間を楽しみましょう。
用意するもの
- 白茶の茶葉
※一般的な濃さなら約3gで5~8 煎。 - 茶盤
※広くて深めの皿で代用可能。 - 急須
※一般的な中国茶の急須は150~250ml。
今回は180mlのものを使用。日本茶の急須で代用する場合は、湯の量を少なめに。 - 茶海
- 茶杯
- 茶托
- 熱湯
※温度が低いと香りが出ないため、沸騰したての熱々で。 - ティースプーン
淹れ方
急須を温める
急須に熱湯を注ぎ、蓋をしてから急須を回し、湯を全体に巡らせて温めます。その後、茶盤に湯を捨てます。
茶葉を入れる
急須にティースプーン1~2杯の茶葉(目安3g)を入れます。
洗茶をする
急須に熱湯を注いで蓋をしたら、そのまますぐに茶盤に湯を捨てる、洗茶を行います。良質な茶葉ほどそのままでは抽出しにくいもの。こうして一度湯に通すのが、美味しく抽出するポイントです。
湯を注ぐ
再び急須に熱湯を注ぎ、蓋をして抽出。この時さらに、急須の上から熱湯をかけます。こうして外側からも温めることで、温度の低下を防ぎます。
蒸らす
少しの時間蒸らします。急須の外側についた湯の水滴が乾いたら飲み頃です。
茶海に移す
飲み頃になったら、急須のお茶を全て茶海に移します。移し終わったら、茶葉が熱で傷まないよう、急須の蓋は半開きに。
茶杯に注ぐ
茶海に移したお茶を、茶杯に注いでいただきます。
Youtubeにも同時公開しておりますので、動画でもお楽しみいただけます。
中国茶は、1 煎目は香り、2煎目は味、3煎目は甘味…と、豊かな風味の変化を感じられるのが魅力。薄くなりすぎたと感じるまで、お好みで変化の余韻を楽しんでください。
さらに、お茶の時間をもっと素敵に楽しむなら、空間づくりにもひと手間を。例えば、野花や落ち葉、石など、身近にある自然のものをテーブルコーディネートに取り入れてみましょう。より一層ボタニカルな力に包まれて、心身ともにリフレッシュできるはずです。
いかがでしたか。今年の夏のおうち時間に、ぜひご家庭で優雅なティータイムをお過ごしください。
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「銀月サロン」オーナー 高田小絵子さん
京都と大阪で予約制の中国茶サロン「銀月サロン」を営む中国茶ソムリエ。自ら現地へ足を運んで仕入れた中国茶をふるまうお茶会を開くほか、オンラインショップで茶葉の販売も行う。