ダイヤモンドリリーが日本に伝わったのは明治末期から大正時代のこと。特有の輝きと、小さなユリが集まって咲くような愛らしい花姿で、富裕層を中心に多くの人の心を鷲掴みにしました。
しかし、ダイヤモンドリリーは、毎年晩秋に花を咲かせるものの、各年1つの球根から咲かせる花はたった1本。さらに、年によっては全く咲かないこともあり、徐々にその存在は薄れていってしまったそう。
近年になり、逆境に負けず生産を続けてきた生産者による懸命な努力がようやく実り、人々の情熱と努力で復活を遂げたのです。

多くのフローリストにとってダイヤモンドリリーは憧れの存在です。そんなスペシャルなひと花だからこそ、ご自宅でゆっくり歴史に想いを馳せながら鑑賞してみてはいかがでしょうか?
ダイヤモンドリリーの愛で方
基本の下準備
・花瓶
花の長さと花瓶の高さの割合は1:1が基本。

・花バサミ
家庭用のハサミでも代用可能。切れ味の良いものを選び、清潔な状態で使いましょう。
・水切り
茎から花全体に水を運ぶ「道管」の通りを良くします。茎に付着したゼリーを洗い流したら、容器にきれいな水を張り、水中で茎の先をハサミで斜めに切り落とします。

・メンテナンス(毎日1回)
水を交換する
道管を詰まらせるバクテリアの繁殖を抑えるために水を清潔に保つのが、花を長持ちさせる秘訣です。
茎の先を切る
切り口を新しくして、水の吸い上げをよくしてあげます。

花粉を取る
ユリなどで一般的に行われる処理ですが、ダイヤモンドリリーも同じように花粉を取り除くのがおすすめです。ユリほど花粉の色は目立 ちませんが、日が経過すると少々散ることがありますので、気になる場合は花粉を纏う葯(やく)を指でつまみ取りましょう。

花瓶を用意する
ダイヤモンドリリーは真っ直ぐな花姿をしているため、細めの花瓶が活けやすいです。また、水揚げが良い性質があるので、水は浅く張ります。小まめな水換えと、切り戻しを心がけましょう。

長さを調整する
通常ネリネ科の切り花は茎が柔らかく潰れやすい特徴がありますが、横山園芸のダイヤモンドリリーは硬く締まっ ているため、斜めに切っても問題ありません。

活ける
ダイヤモンドリリーは花姿にあまりばらつきがないため、複数本活ける際は長さにそれぞれ差を付けると、全体に動きが出てより自然に飾れます。
メンテナンス
ダイヤモンドリリーは毎日切り戻すことで、蕾が咲きやすくなります。開花が進むにつれて、茶色く変色した萼は指で優しくむしり取り、萎れた花がある場合は、ハサミで切り取ります。最後まで美しい姿をお楽しみください。
飾り方いろいろ
ダイヤモンドリリーは、市場に出回るのが10月初旬から11月下旬のみと、れっきとした秋の花。1年のごく短い期間だけにしか見ることのできない神秘的なきらめきは、花好きには見逃せません。ダイヤモンドリリーの貴重な美しさを、思い思いの飾り方で、季節を感じながら、存分にお楽しみください。