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LIFESTYLE 06

花のある暮らし「ケイトウ」

鳥のトサカや燃える炎のような花姿で見る人を惹きつけるケイトウ。 日本における歴史は古く、奈良時代の8世紀頃に中国や朝鮮半島を経由して日本に広まりました。 当初は観賞用ではなく、染料や薬用に用いられていたことが研究により明らかになっています。

ケイトウの花を乾燥させて作る生薬は、止血作用や整腸作用があり、肝や腎に効用があるのだとか。
時が進み、観賞用として栽培され始めたのは安土・桃山時代の頃で、江戸時代に入って品種改良が盛んになりました。
万葉集にも登場し、韓(から:中国)から渡来した藍(染料)を意味する、「韓から藍あい」という言葉を用いて詠まれています。「恋ふる日の 日け長ながくしあれば 我が園の 韓藍の花の 色に出でにけり」(あの方に恋してから、もうどのくらい日にちが経ったことだろう。
我家に咲く鶏頭の花の鮮やかな色のように、とうとう私の気持ちを表に出してしまった)。燃えるようなケイトウの赤色が恋心を表現するのにぴったりだったのか、この他にも、万葉集の恋の歌に多く引用されています。
ケイトウが1200年以上もの間、人々に親しまれてきたことが分かるエピソードです。近年、さらなる品種改良により様々な色や形が増えてきた、ケイトウ。これからも新たな姿で私たちの生活を彩り続けてくれることでしょう。

ケイトウの愛で方

基本の下準備

花瓶

花の長さと花瓶の高さの割合は1:1が基本。

花バサミ

家庭用のハサミでも代用可能。切れ味の良いものを選び、清潔な状態で使いましょう。

水切り

茎から花全体に水を運ぶ「道管」の通りを良くします。茎に付着したゼリーを洗い流したら、容器にきれいな水を張り、水中で茎の先をハサミで斜めに切り落とします。

メンテナンス(毎日1回)
水を交換する

道管を詰まらせるバクテリアの繁殖を抑えるために水を清潔に保つのが、花を長持ちさせる秘訣です。

茎の先を切る

切り口を新しくして、水の吸い上げをよくしてあげます。

花瓶に水を張る

きれいに洗った花瓶に浅めの水を張ります。夏場はバクテリアの増殖が早く、茎が腐りやすくなります。毎日の水換えに加え、花瓶の内側にぬめりが出たら擦って落としましょう。茎の滑りも優しく擦って落としてください。また、適度に1cm程度切り戻すと良いでしょう。

長さを調整する

ケイトウの茎は他の花と比べて密度が低く水中で痛やすいため、長さを調整する際は先が潰れないよに切れ味の良いハサミで真横に切ります。

下部の葉を切り取る

葉が水に浸かると水の汚れに繋がるので、下部の葉は切り取ります。また、ケイトウの葉は薄く、鮮度に問題なくても変色していたり、しおれたりすることがあります。見た目が気になったら切り取ってしまいましょう。

花・種を取る

ケイトウは晩夏から秋になると花の粒が際立ち、小さな黒い種ができてきます。気にならなければ、少し乾燥して取れやすくなるまでそのままにしておくことをおすすめしますが、苦手な方は予めスプーンなどで優しく撫でるように削ぎ取っても良いでしょう。ケイトウの表面を傷つけると酸化して黒ずんでしまうので、「できるだけ優しく」を意識してください。

活ける

口径が小さめの花瓶に顔を寄せるように活けると、ケイトウ最大の魅力であるビロードの光沢と鮮やかな花色を際立ちます。

メンテナンス

葉は、ふさふさとした上の部分より先に老化が進みます。見栄えが悪くなったらた切り取りましょう。また、予め花を取っていない場合、時間が経つと花が茶色く変色し、ポロポロと落ち始めます。そうなったら、STEP4同様に、花を取り除きましょう。

飾り方いろいろ

上から見た姿が珊瑚に例えられる、ケイトウ。温かみのある質感や、深みのある豊かな色が秋感じさせてくれます。個性的なフォルムを活かして、これから訪れる実りの季節を迎えましょう。
Produced by BOTANIC
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企画/取材/執筆:株式会社BOTANIC
編集:株式会社I-ne